棚卸って倉庫は大嫌い!?
商品を取り扱っている企業では、たいてい「棚卸」が年1~2回、毎年決まった時期にあります。
棚卸とはいったい何でしょうか。
■棚卸をする意味とは
棚卸とは、材料、製品、商品などの現物の数量と評価額を確認する、要するに資産額を確定する大事な業務です。
企業は決算の際に実際の商品の数量(実数)と帳簿上の在庫数を照らし合わせ、資産額を確定し、販売計画通りに推移しているか経営戦略の指標となります。
期末近くに棚卸を実施することが多いかと思いますが、荷主と荷主企業の契約する公認会計士の先生にご来社いただき、監査していただきます。
棚卸の実施方法について、他サイトにたくさん掲載されていますので、検索ください。
棚卸手順や考え方は、企業や会計士の先生により多少異なります。
倉庫では、臨機応変な対応が必要ですね。
■倉庫側から見た棚卸とは?
当然、荷主の大切な決算に向けた資産を確定するため棚卸は重要な作業です。
作業員に棚卸の重要性を作業開始前に説明し、常に肝に命じながら作業を進めています。
しかし、普段見えていない作業ミスや想定もしていなかったヒューマンエラーが発覚する可能性もあり、生きた心地がしません。
実在庫と理論在庫値が合わず誤差が発生(あったらいけないのですが。。。)したときは当然ですが、棚卸がきちんと実施されているか監査のために、会計士の先生と抜き打ち検品をし、数量が合わないことがあったらとゾッとします。
これは当社だけでなく、倉庫を持たれている会社の担当者は全て同じ気持ちでないかなと思います。
・・・間違いなく、棚卸は荷主も倉庫のお祭りイベントです。
思わぬヒューマンエラーをなくす、そのために事前にどのような準備をするのか、日常の作業で何に心掛け、日々どのようにすることにより、棚卸時に苦労しないか、常に模索とチャレンジを繰り返し、誤差ゼロを目指し業務をしています。
■棚卸費用を安くするためには
倉庫の業務は、商品が入庫し、保管し、出荷する、ただそれだけの単純業務です。
それだけの業務でなぜ、棚卸にて誤差が発生するのでしょうか。
・・・それは、また別の機会に検証していければと思います。
棚卸のカウント作業については、主に2通りあります。
・一斉棚卸
出荷や入庫、製造を棚卸スケジュールに合わせ停止し、全ての資産管理箇所で一斉に実施する方法です。
実数を確認しやすいメリットもありますが、営業を停止しなければならず、機会損失を生む可能性があります。
・循環棚卸
商品や場所で区切り、商品の流通を止めることなく期間を設けて実施する棚卸方法です。
営業を停止することなく実施できるメリットがありますが、管理をきちんと出来ないと合わせることが出来ません。
当社では循環棚卸をお勧めしております。
一斉棚卸をお勧めしていない理由としては、下記の通りです。
1. 棚卸人件費増大
一斉棚卸は集中した時間での棚卸作業となり、専用で人員を用意しなければならず、棚卸コストが増加します。
しかも、集計作業時間などカウント作業をしないである待機時間も料金に含まれています。
2. 機会損失発生
棚卸のために事業の根幹である営業活動を止めて、機会損失を生むことが良いことなのでしょうか。
または、平日に営業を止めることが不可能な場合、土日祝日に実施をし、業務委託費に休日料金をプラスされ、自社社員にも休日出勤手当を支払うといった色々な費用を含めると高額な棚卸関係費がかかることが本来の正常な経営なのでしょうか。
スケジュールと棚卸業務管理をきりんとできれば、費用を抑え、機会損失を発生させない循環棚卸が良いのではないでしょうか。
もちろん荷主と倉庫、公認会計士の先生を含めた事前確認は必要です。
荷主の営業リスクとコスト、倉庫での特別作業の負担を考慮すると日々の多忙な業務時間も調整をし、循環棚卸のご提案をすることは、最善の策ではないでしょうか。