【第3回倉庫作業トラブル事例 】各種データ編
倉庫作業に付き物であるトラブル。
商品発送が伴う倉庫では、出荷指示データや発送実績データ、在庫データなどデータありきで作業を実施します。
データに関するトラブルが発生すると、出荷に影響するだけでなく、倉庫では一日の作業が予定通り進まず、原因究明やリカバリー作業に多大な時間と労力が発生するばかりでなく、荷主の機会損失を生むだけでなく、大切な信頼が揺らいでしまい、良いことはなにもありません。
私がデータトラブルは分類すると、下記3つの要因だと検証できました。
- 人の手によるアナログ操作
- チェック漏れ
- イレギュラー作業
これらの要因が単独ではなく、複数項目含まれて発生しています。
■人の手によるアナログ操作ミス
汎用的なWMS利用をすればきれいなデータ授受が可能ですが、案件の規模や内容によりアナログ処理が必要な場合が多々あります。
当社の場合では、汎用的なWMSを利用できない場合、Excelを加工し、csv.データに変換し、配送会社より提供されている送り状発行システムへ取り込みを実施している場合があり、常にリスクがあります。
また、クラウドWMSを利用した案件でも一部入庫処理等を手動にて実施をしており、数量や入庫ロケーションを間違えるリスクを抱えています。
クライアントの要望に応えるためには汎用的なWMSを入れることが出来ないこともあり、当社としてリスクや不安を解消するには、やはりチェック機能を入れて考えられる事故を防止するしか無いんですね。
ペーパーレスの時代ですが、一番確実なのは必要なデータをプリントアウトして、一つ一つペンで確認をし、レ点チェックを付けることだと思います。
■チェック漏れ
メールやストレージファイルなどのクラウド系でデータを受信することが多々ありますが、クライアント数が増えるに従い(当社はまだまだですが・・・)、膨大なメールが入り、見落としが発生する可能性もあります。
私の過去の経験では1日100通以上のメールがあり、見落とし事故が発生したこともありました。
メール見落としにより出荷漏れが発生するなど作業事故リスクが発生します。
防止策として、データ締め時間(バッジ)を取り決め、その上で日常のルーティン業務のスケジュールチェックリストを作成することが効果を発揮します。
しかしなかなかクライアントの業種によっては、日常ルーティン業務に出来ない場合が発生します。
当社では、クライアントに依頼をし、バッジ以外の時間の場合はデータ連携以外に必ずお電話やSNS、chatなどでご連絡をいただき、事故防止のためのご協力をお願いしています。
■イレギュラー作業
日常の業務以外のスポット作業やイレギュラーが発生した際に、事故の発生確率は上がります。
私の過去起こした大トラブルでは、Excelの列の昇順ソートが対象列しかされておらず、発送数量を間違え、リカバリーで2晩徹夜し、クライアントを始め、関係者に多大な迷惑をお掛けしたことがあります。
今考えればリスクを回避する方法はたくさんありますが、当時は翌日より作業しなければ間に合わない状況があり、直前のデータ差し替えの対応をデータベースソフトを使用せずExcelを使用した、また元データと再チェックを実施しなかった等、問題点だらけでした。
倉庫業ではイレギュラーはつきものです。
いかにリスクを避け、安全に期日通りに作業を完了出来るか常に念頭に置き、業務に関わってまいりましょう。