物流用語「WMS」とは? 深く掘り下げて考えましょう。 

倉庫業界では、WMSというワードが当たり前のように出てきます。

WMSとは何なのか? 本当に必要なの? どういうものを利用するのが適正なの? といった疑問が起こるものです。

では、何を利用するのが最も効率的なのか?

この答えは、誰も分かりません。

なぜなら、物流業に「正解」はなく、発送作業の場合では安全にお届け先に発送する、流通加工作業では決められた通りのクオリティとスケジュールでトラブルが起きない、といったことが目的であり、目的を達成すれば100点、何か過失が発生すれば減点となる、いわば減点方式の業務です。

言い換えれば、私たち倉庫業での仕事で100点以上の点数、例えばクライアントの期待値以上の120点の仕事は倉庫内業務では取ることは出来ないのです。

だから、「廃棄商品を無料で引き取ります。」「コールセンターもやります。」「受注業務をします。」「写真撮影をします。」「EC通販サイトの運営をします。」といった複合的なBPO(business process outsourcing)を売りとした倉庫があります。

当然、何も出来ないよりクライアントの要望に応えれるよう何でも出来る体制を整える方が良いに決まっているのですが、当社はまず倉庫業としての誇りを持ち、品質や期日を守り倉庫業で100点、尚且つ、クライアントの気づかない点を気づき、素早い報告や連絡、返答が出来る会社でありたいと考えます。

話は戻りますが、倉庫業は目的まで向かうプロセスを問われる業務ではないため、作業工程は実際どのような方法でも良いのです。

ハンディターミナルによるバーコード検品やOCR(文字認識)検品をするためにWMS導入のお話をすることもございますが、目視検品による確認でも間違いがなければ良いのです。

しかし、目視確認は人的事故が起こる確率を上げ、二重や三重チェックを入れ、非効率になることが多々あります。

当社だけでなくどこの倉庫会社でも同じだと思いますが、より良い、しかも効率的なプロセスはないか日々検討しています。

WMSについて、荷主企業でも全て倉庫会社の言いなりのシステムで、言いなりの請求金額をお支払いされるのではなく、本項をご覧いただければ、ご参考になるかと思います。

では、WMSの説明よりスタートしましょう!!

■WMSとは何か?

WMS(Warehouse Management System)とは倉庫管理システムのことで、倉庫作業をするときに使用する在庫表やロケーション(棚番)管理や入庫予定連携、出荷指示連携、帳票出力、送り状出力などあらゆることを含みます。

例えば、エクセルでの在庫表もWMSの一種であり、API連携で自動化されたWMS、AIやRPAを利用したシステムも全てWMSです。

また、倉庫会社のWMSの開発や使用方法も多様です。

システムエンジニアやプログラマーを抱え、自社でWMS開発を行う倉庫会社や、システム会社に注文し荷主専用WMSを開発し使用する倉庫会社、近年10社以上あるクラウドサーバーを利用した「クラウドWMS」を取り扱うシステム会社と契約する倉庫会社、WMSの知識がなく荷主側に委ね提供を求める倉庫会社、はたまたWMSの名前さえ知らない知識ゼロの倉庫会社などさまざまです。

知識ゼロでエクセルを使用して在庫管理をし、複写式の宅配会社送り状を手書きしていても、実は立派なWMSを使用している会社です。

最先端のWMSを駆使して保管発送している倉庫と、知識ゼロの倉庫とどちらに委託する方が良いと思いますか?

私は作業事故や在庫が合わないなどのトラブルがなければどちらでも良いと考えます。

■最先端のWMSを使用することが良いことなのか。

倉庫会社よりAPI連携が出来るWMS、最先端のWMSだからと勧められることがあります。

しかし、開発費や運用料金などかなりの高額の場合です。

物流は下記が大前提です。

  • 作業/運送事故が発生しない。
  • 取り決めた作業/配送リードライムが守られる。
  • 在庫数が一致している。

荷主企業はこちらに立ち上げ時システム開発費や月々の利用料を含んだものが物流費となっています。

荷主としては、システム費用も安く、作業や配送の品質が高いことを望まれ、自社案件と条件が合うWMS利用の提案をする倉庫会社が最も適しているということです。

反対に倉庫は検品機能が優れ、作業ミスが発生しない、案件に特化し特殊なアナログ工程の発生しないWMSを好み、クライアント専用のWMSをカスタマイズすると高額になるのです。

当社で最も費用対効果が高く、お勧めし利用しているやり方としましては、汎用型であるクラウドWMSをカスタマイズせず利用し、案件特性による特殊な工程は、事務員と作業員の二重チェックによるアナログ作業で実施しています。

工程作業時間として数分で終わる作業のためにWMSのカスタマイズに高額な費用をかけることはバカらしく、事故がなければ目的を達成できれば良いと考えているからです。

WMSは目的ではなく、プロセスの手段であり、WMSの話を主として話す倉庫会社とではなく、荷主の将来ビジョンに沿うことが出来る会社を選定されることが大切だと思います。


物流・倉庫作業のご相談はお問い合せフォームよりお待ちしております。

株式会社Link Structure

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