物流コスト削減方法① 物流コストとは?
商品(モノ)を販売される企業にとって、物流コストは経費です。
当然ですが、経費を下げることが利益額・率のアップにつながります。
しかし、コスト削減だけに目を向け、サービスレベルが下がれば、売り上げが下がり、たとえ利益率が上昇していたとしても、利益額が減ってしまうことも考えられます。
サービスレベルを下げず、物流コスト削減に向けた施策を立てれるよう、進めましょう。
1. 物流コストとは?
物流コストとは、商品(モノ)を移動させるためにかかる全ての費用の総称です。
主な物流コストに含まれる項目は下記の通りです。
- 製造工場から倉庫への輸送費
- 倉庫での保管費
- 商品を加工し、販売できるよう付加価値を付ける流通加工費
- 出荷がかかった際のピッキングや検査・梱包といった作業費
- 梱包時に使用する資材費
- 運搬に使用する宅配便・路線便・チャーター便などの配送費
- 返品対応費用
2. 物流コスト削減が効果的な理由
企業は株主・社員・顧客・エンドユーザー、また社会への貢献が役割です。
利益を追求しなければ、成り立たなくなってしまいます。
マーケティングや広告を行い、より良い商品を世に送り出し、知名度を上げ、売り上げ向上を目標に販売促進活動を実施することはとても重要ですが、長期的スパンで計画的、継続的に進めることとなり、なかなか特効薬とは言い難いと感じます。
それに対し、経費である物流コストは目に見える形で効果が表れ、施策を実行することで非常に数字が読みやすいと考えます。
それでは物流コストにおける内訳より、何に注力すればコスト削減が可能か確認しましょう。
■物流コストの構成比
JILS(日本ロジスティクスシステム協会)の2020年物流コスト調査報告書では、全業種での売り上げに対する物流コスト比率は、5.38%となっています。
物流コストにおける構成比は下記の通りです。
- 輸送費 55.2%
- 保管費 15.7%
- その他 29.1%
輸送費が全体の半分強を占めるという現状があります。
それでは、どのような削減施策で効果を発揮できているかを見ましょう。
■JILS発表「効果の大きかった物流コスト適正化策」
202社へのアンケートによる回答です。
輸送コスト比率が高いため、共同配送の利用や混載、チャーター便の帰り便の利用は大きな効果を発揮します。
規模感が大きければ大きいほど、色々な施策を取ることが可能となりますが、当社のような宅配便や路線便をメインの使用とした小中規模倉庫では、配送会社との契約がある以上、大きなコスト削減は困難ではないかと思います。
中規模以下の荷主企業が配送コスト削減をするためには、より配送会社との契約単価が安い倉庫に移管する以外には方法がありません。
しかし、いざ移管作業となると労力やコストがかさみ、費用対効果が本当にあるか疑問を感じる場合があります。
また、前項でもお伝えしたとおり、経済情勢より輸送費は上昇傾向にあり、永久的に安い契約単価が続くわけがなく、値上げ交渉が始まり、短期スパンでの効果に終わってしまうのではないでしょうか。
それでは、当社の専門とする倉庫業では、どのような施策を考えることができるか次回、考えていきます。